世の中のすべてが光って見えている。
現在、バイクの教習所に通いながら、家庭菜園に水をやり、アニメと漫画を消化し、PS5とリズム天国に手を伸ばし、合間に筋トレをして仕事をしている。
今脳内ではスイーツを作り、旅行の計画を立て、出先で撮った動画を編集してVlogにし、仕事の経費入力と薬剤の見直しも進めたく思考を練っている。
もっと言えば去年買った車で出かけたいし、Googleマップは行きたいカフェのピンで埋め尽くされているしインスタグラムの保存は興味のあるもので溢れかえってキャパはとうに限界。
ヨルシカのブルーレイを再生しつつ上映会の抽選に申し込み、キャンバスに絵を描き、ギターを触り、部屋を片付けたい。
あれもしたい、これもしたい。脳内でブルーハーツがずっと歌い続けてる。
でも、手は2本しかないし、脳は1つしかない。 至極当たり前の構造だけど、この前提を忘れる程度には欲が散乱してる。
何かを始めれば何かが疎かになる。
物理の法則。
最近は、放置された家庭菜園の野菜たちに対して、理由のわからない申し訳なさを抱えながら生きてる。
キュウリに謝る日が来るとは思ってもみなかった。
周囲から「よくそんなに色々なことに興味が持てるね」と言われることがあるけど、内実は単に「何一つ完結していない」だけ。

コインがぴかぴかになるショート動画を眺めている場合じゃない。
現状を打破するためにスマートフォンに「フォーカスモード」を設定した。
指定した時間内は特定のアプリを開けなくする、強制遮断の仕組み。
なお、そのアイデアを教えてくれたのもスマートフォン。
効果は劇的で、無限に時間を吸い取っていたトラップが消滅し、今こうして文章を書く時間が生まれた。
食器も洗濯物も家電が自動できれいにしてくれるし、AIは面倒な作業の多くを肩代わりしてくれた。
文明の利器によって、確かに時間は取り戻されつつある。
取り戻されたはずなのに、視界の隅にはまだ山のように積まれたままのタオルがある。
まずこれを畳まなければならない。
近頃、日常的な飲酒をやめた。
おそらく今は人生において「何をするか」ではなく「何を削ぎ落とすか」を決める時期なのだと思う。
時間泥棒を片っ端から排除し、自分の時間を取り戻す。
そして次こそは、野菜に対して罪悪感を抱かない、まっとうな収穫期を迎えたいと考えてる。
人生の時間は有限で、目の前のタオルはまだ減ってない。
「タオル 楽に畳む方法」
ぼくはまたスマホを手に取る。
今日もスマホの画面は光って見えている。





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