山積みのタオルとぼく

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世の中のすべてが光って見えている。

最近の話をします。
バイクの教習所に通いながら、家庭菜園に水をやり、アニメと漫画を消化し、PS5とリズム天国に手を伸ばし、合間に筋トレをして仕事をする毎日。
今ぼくの脳内ではめでたくウッキウキでスイーツを作り、旅行の計画を立て、出先で撮った動画を編集してVlogにし、仕事の経費入力と薬剤の見直しも進めたく思考を練っている。もちろん脳内で。

もっと言えば去年買った車で出かけたいし、Googleマップは行きたいカフェのピンで埋め尽くされているしインスタグラムの保存は興味のあるもので溢れかえってキャパはとうに限界を迎えている。
ヨルシカのブルーレイを再生しつつ上映会の抽選に申し込み、キャンバスに絵を描き、ギターを触り、部屋を片付けたい。
あれもしたい、これもしたい。脳内でブルーハーツがずっと歌い続ける。

御存知の通り手は2本しかないし、脳は1つしかない。 至極当たり前の構造ですがこの前提を忘れる程度には欲が散乱してる。

何かを始めれば何かが疎かになる。
43歳、初めて知った物理の法則。
最近は、放置された家庭菜園の野菜たちに対して、理由のわからない申し訳なさを抱えながら生きてる。
キュウリに謝る日が来るとは思ってもみなかった。
周囲から「よくそんなに色々なことに興味が持てるね」と言われることがあるけど、内実は単に「何一つ完結していない」だけである。

コインがぴかぴかになるショート動画を眺めている場合じゃない。
絨毯がきれいになる動画はもういい。
現状を打破するためにスマートフォンに「フォーカスモード」を設定してみました。
指定した時間内は特定のアプリを開けなくする強制遮断の仕組み。考えたやつ天才か??
なお、そのアイデアを教えてくれたのも憎きスマートフォン。敵のくせにたまに味方になるタイプみたいでむかつく。

効果は劇的で、無限に時間を吸い取っていたトラップが消滅し、今こうして文章を書く時間が生まれた。なぜ今までやってなかったのか。慢心、環境の違い。
食器も洗濯物も家電が自動できれいにしてくれるし、AIは面倒な作業の多くを肩代わりしてくれた。もっと働けとは思うけど。
文明の利器によって、確かに時間は取り戻されつつある。

取り戻されたはずなのに、視界の隅にはまだ山のように積まれたままのタオルがある。

まずこれを畳まなければならない。ハァ。

近頃、日常的な飲酒をやめました。
おそらく今は人生において「何をするか」ではなく「何を削ぎ落とすか」を決める時期なのだと思う。
時間泥棒を片っ端から排除し、自分の時間を取り戻す。

そして次こそは、野菜に対して罪悪感を抱かない、まっとうな収穫期を迎えたいと思う。
人生の時間は有限で、目の前のタオルはまだ減ってない。

「タオル  楽に畳む方法」

またスマホを手に取ってる。

今日もスマホの画面は光って見えている。

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